避妊具の定番!コンドームとは?
性行為の時、避妊具としてあるいは性病防止として使用するコンドーム。皆さんはこのコンドームについてどれだけのことをご存知でしょうか?案外知らないことの方が多いのではないでしょうか。
今回はコンドームについて語源や歴史など詳しい情報をご紹介していきます。
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コンドームとは?
そもそもコンドームとは何でしょうか?
一般的には男性器にかぶせて使用する使い捨て型の避妊用具のことを言います。避妊具の中でも最も避妊率が高くおよそ正確に使用していれば90%以上とも言われており、最もポピュラーな避妊方法です。
その理由はコンドームを製造する各社が追求する高い安全性と、入手が安易であることに尽きるようです。最近はドラッグストアだけでなくコンビニなどでも多く取り扱われています。
日本・中国の香港・ギリシャ・ウルグアイ・アイルランドでは避妊法として使用されている割合が最大であり、世界全体の出荷数は年間58億個とも言われています。
そんな使用率も高いコンドームですが、避妊も含めどのような使用目的があるのでしょうか。
コンドームの使用目的
コンドームの使用目的は3つあります。それが以下の項目です。
- 避妊
- 妊婦との性交
- 性感染症防止
避妊
避妊は前述したとおり、国内で最も普及している手法であり、正しい使用法で用いれば妊娠する確率を大きく低減します。
妊婦との性交
また妊婦との性交時にも有効です。妊娠しているのでもう避妊する必要は無いのでは?とも思われるかもしれませんが、精子には子宮を収縮させる成分であるプロスタグランディンが含まれているため、妊娠後期の場合、胎児にリスクが及ぶ恐れがあります。
そのため妊婦と性交をする場合にもコンドームを付けることは大切です。もちろん安定期に入ってからと言うこともお忘れなく。女性の身体と胎児のことを考えれば、性交をするにしても慎重に行ってあげてください。
性感染症予防
性感染症予防にもコンドームは有効です。それは感染源が精液や膣分泌液、血液の中に含まれ、主に人体の陰茎や膣、肛門、尿路と言った粘膜を介して感染します。
特に言われているのがエイズ(ヒト免疫不全ウイルス感染症またはHIV感染症)に対する感染リスクを85%減らすことが可能だと世界保健機構(WHO)は試算し、エイズ対策の一環としてコンドーム使用の推奨キャンペーンも行っています。
その他にも、性器ヘルペスやB型肝炎、性器クラミジア感染症などの一度は耳にしたことがあるであろうものから、成人T細胞白血病、梅毒、淋病、鼠径リンパ肉芽腫など、ウイルスや細菌、クラミジア、真菌、寄生虫、原虫による重い感染症もあります。
このどれについてもコンドームの使用と言うのは高い防止効果を発揮します。ただWHOも100%防止できる訳ではないと考えているため、「コンドームでもエイズや性感染症は完全に防げない」と明記するように呼びかけています。
コンドームの語源
コンドームの語源は諸説ありますが、最も有力な説は英国のチャールズ二世お抱え医師「ドクターコンドーム(Dr.Condom=ドクタークォンダム)」に因んでというものです。
当時チャールズは非摘出子を14人も作っていて、これ以上多くなっては王位継承問題でトラブルが起こる可能性があるとして、ドクターコンドームに避妊用具の考案を命じられました。
そして作ったのが、羊の腸で作られた鞘でした。これをコンドームと名づけたのです。この功績が認められ、ナイトの爵位を与えられますが、後に混乱を避けるため、名前を変えたといわれています。
これが最も有名な説と言われているコンドームの語源です。その他コンドームには各国で呼び方に違いがあるので、そちらも参考にしてみてください。
国名 | 呼び名 | 意味 |
日本 | CONDOM | コンドーム |
アメリカ | JIMMY HAT | ジミー君の帽子 |
香港 | PEIDANGYI | 防弾チョッキ |
フランス | CAPOTE ANGELAISE | イギリスのレインコート |
イタリア | GUANTO | グローブ |
スペイン | GLOBO | 風船 |
ギリシャ | KAPOTA | オーバーコート |
ドイツ | IUMMELTUTE | 淫らな袋 |
デンマーク | GUMMIMAND | ゴムの男 |
アイルランド | JOHNNY | ジョニー |
ポルトガル | CAMISADE VENUS | ビーナスのシャツ |
オーストラリア | LOVE GLOVE | 愛のグローブ |
インドネシア | KOTECA | ペニス用ひょうたん |
ブラジル | CAMISINHA | 小さなシャツ |
コンドームの歴史
コンドームの起源は、紀元前3000年頃の初期エジプト王朝にあると言われていて、豚や山羊の盲腸や膀胱を利用し作られていました。同種の動物内臓を用いた男性生殖器に装着する物品は世界各地で利用され、魚の浮き袋を利用したものも伝えられています。
また1564年、イタリアの解剖学者ファロピウスが性病予防の観点からリネン鞘と呼ばれる陰茎サックを開発しましたが、実用性は疑問視されたと言われています。
上記のコンドームの語源となったドクターコンドームの避妊具は1671年ごろに作られたと言われていますが、実在した証拠がないため、このコンドームはチャールズ2世が王位につく100年以上前から使われていたと言う説もあります。
現在のゴム製のコンドームは1844年にゴム精製技術が改良されてから使われるようになったと言われていますが、こちらも事情ははっきりしていません。
日本では江戸時代に一部外国船が来日するようになって伝わり、導入されるようになりました。その後海外から遅れること60年あまりの1909年にゴム製の第1号が国内で誕生しました。
第一次世界大戦で兵士が慰安婦との性交により性病が蔓延したため、参戦した各国の軍隊が支給品にコンドームを加えることになりました。それが広く普及する原因となったともされています。
また現在のシームレスタイプのラテックス製コンドームは、ポーランドで発明されました。発明家であり実業家のユリウス・フロムが新製法を確立し、1916年に特許を取得、1922年に大量生産を開始し、「フロムス・アクト」の商品名でヨーロッパ各国で販売され大成功を収めています。
コンドームの製造方法
ここからは現在製造されている中でも90%使用されているラテックスを素材としたコンドームの製造方法を紹介します。とは言っても個人で自家製ができるわけではないため、簡単にご説明します。
工程としてはラテックスの採集からパッケージングまで6工程になります。
1.原料である天然ゴムラテックスの採集
この天然ゴムラテックスは、主にマレーシアのゴム園で採集されます。採集されたゴムの樹液は丁寧に精製・濃縮され、様々な項目に渡る厳しい検査に合格した「プレミアムグレード」の天然ゴムラテックスのみが輸出されます。
2.薬品の配合
強度や伸縮性を与え、原料を均一化させるため、数種類の薬品を配合します。配合工程は、コンドームの基礎的な品質の決め手となるため、慎重に行われます。また配合する薬品の種類や比率は各社の企業努力によって確立されたものであり、企業秘密となっています。
3.成形
配合した液状の天然ゴムラテックスを大きなプールに入れ、その中にコンドームの形をしたガラスの型に浸します。そのガラス型を引き上げると、液がガラス型に付着します。その付着した液を乾燥させて、ガラス型から取り外せば、コンドームの形が出来上がります。
4.全数ピンホール検査
コンドームはピンホールと呼ばれる微細な穴が無いかをチェックするため、必ず全数検査(出来上がったもの全てをチェックする)を行います。この工程で合格したものだけが、検査用の金型から巻き上げられながら外され、よく見るあのコンドームの形になります。
5.個包装
巻き上げられたコンドームには潤滑剤が塗布され、1つ1つ包装されます。ゴム臭をカットするための香りが付けられたものがありますが、それもこの工程で注入されます。
6.パッケージング
最後にパッケージングされます。箱詰めされた商品はロット管理され、中身の過不足が無いように重量チェックを行った後、最終的に商品化されます。
以上の工程を経て、我々の手元にコンドームはやってくるわけですね。
コンドームに使用される素材
コンドームは先述したとおり、その90%が天然ゴムラテックスを使ったものが発売されています。しかし近年、薄さを求め、あるいはラテックスに対するゴムアレルギーへの対策として、ポリウレタンと言うプラスチックの一種を用いたコンドームも製造されています。
されに最近では、薄さに頼らず新しい快感を得られると謳われるコンドームも発売されました。その素材としてポリイソプレンが使用されています。現在はこの3種がコンドームの素材として使用されています。
コンドームの形状
コンドームの形状は装着することによって性的快感を損なわないように非常に薄くかつ丈夫に作られています。表面にはゼリー状の潤滑剤が塗布されています。
女性が快感をさらに得られるように、表面に凹凸状の加工が施されているものや、冷感・温感剤を塗布したもの、ゴム臭を抑えるために香りを付けたものもあります。
基本的な形は男性器全体を包み込む細長いドーム状をしていますが、製品によっては脱落防止のためくびれがあるものや、亀頭部分の形状をきれいに包み込むような形をしているものなど様々です。