ご存じですか?コンドームでも防げない性病
コンドームの重要な役割の1つが性病予防になります。しかしこの性病、ホントにコンドームさえつけていれば確実に防げるのでしょうか?
今回は知ってるようで知らない性病のあれこれについて説明していきます。自身の、そしてパートナーの身体を守るためにも是非知っておいて欲しい知識になります。
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性病に対するコンドームの有効性
コンドームは避妊だけでなく性感染症予防にも絶大な効果を発揮すると言われています。実際有効性は高く、性病感染を防ぐために使う方も多いです。ただ勘違いしてはいけないのが、避妊と同じく全ての性感染症を防げるわけではないと言うことです。
なぜならば、コンドームは装着することによって男性器と女性器が直接触れることを防ぎます。しかし男性器を覆っているだけであって、その他の身体の部位を覆いきれるきれるものではありません。
肛門やその周辺の臀部、太腿、あるいは指にある怪我などの病変が触れることもあります。またキスやオーラルセックスによってもお互いに粘膜が触れる機会があります。
このような場所が触れることによって感染してしまうことがあるのです。コンドームを付けているからといって全て安心と言うわけにはいかないんです。では実際どのような病気を防ぎ、何の病気が防げないのか見ていきましょう。
コンドームによって防げる性病
基本的に精液や膣分泌液を媒介として感染する性感染症は高い確率で防止することが可能となっています。有名なもので最も感染が怖いのがエイズになります。この疾患は現在も治療法が完全に確立されているわけではないため、感知することはありません。
その他にも性感染症はあります。エイズを含む以下の疾患は同様に高確率で防止することが可能となっています。
- エイズ(後天性免疫不全症候群)
- 淋病
- クラミジア感染症
- 膣トリコモナス症
ただし完全に防げるかのように安心してはいけません。あくまでも高確率で、というのが前提となります。コンドームの使用法を正しく守っていなかったり、精液あるいは膣分泌液を触れて誤って体内に入れてしまった場合は感染する可能性があります。
コンドームを使用するにしても注意して性行為を行ってください。
コンドームによって防げない性病
コンドームを使っても完全に防げない性病もあります。先述の通り、コンドームをすることで男性器と女性器を直接触れさせないことはできますが、その他の場所を触ることで感染するものも存在します。つまり、コンドームの有効性だけでは防げない性病になります。
- 梅毒
- 性器ヘルペス
- 尖圭コンジローマ
- B型肝炎
- 毛じらみ
こちらは1つずつ詳細を見ていきたいと思います。
梅毒
これは全身に様々な症状がでる性病で、特に皮膚にでる症状に特徴があります。バラ疹という赤い斑点や小豆くらいの大きさの発疹などの症状がでます。
原因となるのは梅毒トレポネーマという病原体で、感染者の体液や皮膚にできる梅毒病変に多く存在し、相手の皮膚や粘膜の小さな傷から入り込み感染します。そのためキスやオーラルセックスでも感染し、感染力も非常に強いためコンドームだけでは完全に防げません。
性器ヘルペス
この疾患は性器に水ぶくれができる性病で、原因は単純ヘルペスウイルスです。性器周辺の小さな傷や炎症部分から入り込み感染します。
ウイルスは精液や膣分泌物などの体液に含まれていますが、特に水ぶくれにはウイルスが大量に含まれていて、触るだけで感染することもあるため、コンドームに覆われている部分以外からの感染がありえます。
男性器の根元や女性器の外側、あるいはオーラルセックス時に口唇にウイルスが入り込み感染するとうことも少なくありません。症状が出ていない人からほとんど感染しませんが、発症している人からはとても感染しやすいです。
尖圭コンジローマ
性器にできる独特の形をしたイボで、形には個人差があり、カリフラワー、ニワトリのトサカのような形をしていることが多いです。
原因はヒトパピローマウイルスというウイルスで、皮膚や粘膜の表面の小さな傷から細胞の中に入り込んで感染した後、3ヶ月くらいの潜伏期間を経て発症します
このウイルスは性器周辺の皮膚や粘膜を好んで感染し、相手の皮膚・粘膜に触れることで感染すると考えられています。コンドーム自体は有効ですが、イボのない普通の皮膚や粘膜にいることもあるため、完全には予防することは出来ません。
B型肝炎
これはウイルス性の肝炎で、感染してしばらくすると、発熱やだるさなどを伴う急性肝炎を発症することがあります。非常に感染力が強いですが、主に血液や精液・膣分泌液に含まれているのでコンドームでの防止は有効です。
ただコンドームでは防げない部分の小さな傷口からでも体液に含まれたウイルスが侵入して感染することがあるためコンドームを正しく使っていても感染する可能性がある性病です。
毛じらみ
これは性器周辺の陰毛に感染する虫になるため、コンドームをつけたとしても関係なく感染します。しかも感染経路のほとんどが性行為です。感染して1ヶ月ぐらいすると激しいかゆみがあらわれるようになります。
このようにコンドームだけでは防げない性病が存在してしまうのです。
性行為後に性病の発症が分かった場合
ときどき性行為時には分からなかったが後になって性病だったことが判明すると言うケースがあります。コンドームを付けて性交渉をしたが自分が感染していないか不安...と言う疑問が出てくることもあります。
結論から言ってしまえば、正しくコンドームを付けて性行為を行っていても、上記のように感染してしまう可能性がある性病はあります。
まずはパートナーに性病の正確な病名を聞き出しましょう。その上で医療機関にかかることをオススメします。パートナーがかかっている性病がコンドームによって防げるものであったとしても100%ではありません。
不安があるのであれば、医療機関で検査することが一番の方法です。それで性病にかかっていなければ安心できると思います。またかかってしまっていたとしても早期に治療すれば、すぐに完治させることもできる可能性があります。
また既に疾患を患ってみえる方は無闇に性行為を行い相手にうつすのではなく、医療機関にかかって治療し安心して行為にいたれるようにしてください。放置してしまえば、上記のようにパートナーを不安にさせるだけになります。
コンドームを使用して性病を予防するには
性病を防ぐ上でコンドームは必須になります。先述の通り防ぎきれないものもありますが、一番現実的かつ確実な予防法であることは確かです。感染予防の為には、腟性交の時だけでなくオーラルセックスや肛門性交の場合でも必ず使用して下さい。
また正しく使用することが前提となります。そこでここからはコンドームの正しい使い方についてご説明します。
性病を防ぐにはコンドームを正しくつける
コンドームは以下の工程で付けていただけると正しく装着していただけます。
- 男性器の包皮を根元までたぐり寄せます。そうすることでコンドームが外れにくくなります。コンドームの装着のタイミングは挿入の直前です。ピルを飲んでいてもコンドームを使用してください。
- コンドームを片側に寄せてから封を開けます。コンドームに傷をつけないため爪は切っておきましょう。また途中までしか開けないと袋の切れ端でコンドームを傷つけてしまうことがあるのでしっかり開けてください。
- コンドームの表裏を確認します。精液溜まりが、巻いているところの内側からでている方が表になります。製品によっては裏表が袋に記載してあることもあるので、まずはそちらを確認してください。
- 精液溜まりを指で押さえて空気を抜き、空気が入らないようにしながら、男性器の先端からコンドームを巻き下げていきます。陰毛を巻き込まないよう注意しながらおろしてください。
- 性器の根元までコンドームを下げたら、コンドームの根元を持ち包皮ごと先端方向に動かします。
- 一度上げたコンドームをもう一度巻き下ろすことで、コンドームと包皮が一緒に動くようにします。
精液溜めがない物もありますが、その場合は空気を抜く必要はありません。ただ付けるときに空気が入らないように注意するのは変わりません。
一度下げたコンドームを包皮ごと先端方向に動かすのは、包皮が下にあることで戻ろうとする力でコンドームも持ちあがってしまい外れてしまう可能性があるためです。上記のようにすることでコンドームの中に余った包皮が入っている状態になります。
コンドームの正しい付け方を説明した動画もあります。掲載しておきますので、こちらも参考にしてください。
性病を防ぐにはコンドームは最初から最後まで
正しく付けられたことで性病の防止が可能になります。ただしいくら正しく付けられても性行為の途中から付けていては意味がありません。
オーラルセックスでも性病は感染するため、必ずお互いに性器に触れるよう状況になる前にコンドームを装着し、行為が終わるまでは外さないようにしましょう。
コンドーム以外にもやっておきたい性病予防
先述した通りコンドームを正しく付けたとしてもそれだけで性病にはかからないか、と言われればそうではありません。コンドームで防ぎきれないものがあることも説明させていただきました。では他にできることはないのでしょうか?
例えば以下の様な方法がございます。
- 性行為の相手を限定する
- 検査を受ける
- 性行為前に排尿・排便を済ませる
- 性行為の前にシャワーを浴びる
- 相手の性器を確認する
- 性器を傷つけない
- 体調不良、生理中には性行為を行わない
- 屋外で性行為はしない
- 酔っ払って性行為をしない
- 寝具を清潔にする
- タオル・カミソリ・歯ブラシなどを共用しない
ここからはコンドームを使って性病を高確率で予防するための、コンドーム以外にやっておきたい11のポイントについて詳しく説明していきます。
1.性行為の相手を限定する
感染していない人同士の性行為ではもちろん感染の可能性はありません。ただし、現在の性行為のパートナーがお互いのみであること、性感染症の検査を受けて、お互いが感染していないことを確認していることが前提条件です。
性欲に負けての不特定多数との性行為はリスクを高めるだけなので避けた方がいいでしょう。
2.検査を受ける
自身の身体のためにも、またパートナーのためにも感染状態を確認することは大切です。基本検査としてエイズ(HIV)、クラミジア、淋病、梅毒など検査をされることをオススメします。
また一回の検査で安心せず、頻度は高くなくてもいいですが定期的に検査を受けることは大切です。
3.性行為前に排尿・排便を済ませる
便の中に存在するウイルスが口から感染する場合があります。排便して肛門付近を清潔にすることをオススメします。
また女性は排尿を我慢していると膀胱炎になる可能性があるので、性行為直後の排尿もオススメします。こうすることで病原菌を洗い流して感染予防につながります。
4.性行為の前にシャワーを浴びる
性器や皮膚、口の中など、人の身体には感染症の原因となる病原菌が付着しています。お互いに洗い落とし清潔な状態で行為に及んでください。また傷口から感染する可能性もあるため、歯磨きをする場合は口の中を傷つけないように気をつけてください。
5.相手の性器を確認する
しっかりと自分の目と鼻で確認してください。ただ確認させて、と言うのは失礼に値することもあるので、前戯を通して確認していくといいでしょう。
男性の場合は尿道からの膿、性器のイボやブツブツ、尿道口の色が赤いなどの症状が出ている、女性の場合は性器のイボやブツブツ、悪臭などの症状があれば性感染症の疑いがあるので注意です。
また陰毛周辺が痒そうで頻繁にかいている場合や、下着に膿やおりものが付着してゴアゴア状態になっている場合も注意が必要です。
6.性器を傷つけない
爪などが伸びていると、性器の粘膜を傷つけそこから感染する可能性があります。エチケットとして予め爪は短めに切っておきましょう。また器具に傷つける恐れのある部位がある場合は、使用を避けることをオススメします。
7.体調不良、生理中には性行為を行わない
疲れが溜まっている時や病気など抵抗力が低下している場合は性病に感染しやすくなります。また疲労時の性行為が引き金となり、既に感染しているけど発症していない性病が発症するリスクもあります。
また生理中は女性器がデリケートで傷つきやすく、傷口からの感染の可能性が高くなります。また血液を媒介にするものもあるため、出血した血液から感染する可能性もあります。
8.屋外で性行為はしない
当たり前ですが屋内に比べ衛生状態が悪く、細菌やウイルスに感染しやすくなります。指や爪が汚れたままでの性行為は感染の可能性を引き上げます。公園、砂浜、車内での性行為は慎んでください。
9.酔っ払って性行為をしない
アルコールの勢いで性行為を行うケーるがありますが、アルコールや薬物は判断力の低下を招きます。その場合、コンドームの装着など感染症予防の行動を正しく出来ない場合が多くなるので避けるべきです。
10.寝具を清潔にする
不潔な寝具では感染症となる病原中がいる可能性があります。寝具はいつも清潔に保つよう心がけてください。
11.タオル・カミソリ・歯ブラシなどを共用しない
血液による感染や病原菌の感染の媒介となってしまうため、このような肌や粘膜に触れるものは共用を避けてください。
このようなことをポイントとして性行為をしていただくといいでしょう。お互いの身体を思いやることが一番の愛情です。勢いで行為に及ぶのではなく、それぞれが相手に負担をかけないことを前提に性行為を行って下さい。
性病検査キットについて
性病の検査は何も病院でしかできないと言うわけではありません。簡易的なものですが、自分でも検査することが出来ます。それが性病検査キットになります。
様々な種類が販売されていますが、検査できる項目によって製品が違います。購入使用の前に必ず検査したい項目と製品の該当項目を確認してください。
また男性用、女性用、男女共用と性別の違いによる製品の違いもあります。そちらにも気をつけて購入してください。
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