インフルエンザの際に注意すべき風邪薬の使い方
インフルエンザは、11月から12月になると流行し始め、3月にピークを迎えます。
予防接種を受けていないとかからないかどうか心配になったりもしますが、症状は38℃以上の高熱と咳・鼻水・のどの痛み・頭痛などと風邪に似た症状となっています。
インフルエンザと風邪との違いはあるのか、風邪薬を飲んだら症状は改善されるのかなど、インフルエンザについて詳しくご紹介します。
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インフルエンザと風邪の違いは?
咳や鼻水・のどの痛み・頭痛・発熱と症状がよく似ているインフルエンザと風邪。症状が現れた時、病院で診察を受けるまではどちらにかかっているのかよくわからないですよね。
インフルエンザと風邪は、
- ウイルス
- 症状の現れ方
に違いがあります。
まずは、ウイルスの違いについてですが、インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因であるのに対して、風邪はライノウイルス・コロナウイルス・アデノウイルス・RSウイルスなどが主な原因となって発症します。
次に、症状の違いについてですが、インフルエンザは寒気・頭痛・関節痛などの初期症状をはじめ、全身症状が特徴となっています。一方で、風邪は微熱・くしゃみ・鼻水などを初期症状として、上気道症状が主な症状として見られます。
インフルエンザ | 風邪 | |
ウイルス | インフルエンザウイルス | ライノウイルス コロナウイルス アデノウイルス RSウイルス |
初期症状 | 寒気 頭痛 関節痛 |
微熱 くしゃみ 鼻水 |
主な症状 | 全身症状 | 上気道症状 |
発熱 | 38℃以上の高熱 | 37℃~38℃ |
インフルエンザのときに風邪薬を飲んでもいい?
インフルエンザか風邪か分らないけれど、病院で診察を受ける時間がないという時に、とりあえず市販薬を飲んで対処しようと思う方もいらっしゃると思いますが、インフルエンザに風邪薬(一般的な総合感冒薬)は効果があるのでしょうか?
まずインフルエンザの薬物療法には、抗ウイルス薬を使う「原因療法」と、症状を緩和する「対症療法」があります。したがって、症状を緩和することを目的とした薬を用いるのであれば、風邪薬も効果がある場合があると言えます。
しかし、インフルエンザにかかり、熱も下がらず、病院にも行けないような状況の時に市販の風邪薬を使用するには十分な注意が必要です。できる限り早く病院で診てもらうのが先決です。
また、インフルエンザと診断されて処方された薬に追加で市販の風邪薬を飲むのは絶対にやめましょう。用量オーバーになってしまう可能性があります。
インフルエンザの時に飲むべきではない薬とは?
インフルエンザの時、症状を緩和させるために飲むのであれば、どんな風邪薬でもいいのでしょうか?
実は、解熱鎮痛剤であるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を含んだ風邪薬は、インフルエンザの時には飲むべきではないとされています。
特に子供(小児)においては、インフルエンザの際に高い解熱作用のあるNSAIDs飲むとインフルエンザ脳症のリスクが高まるというデータがあります。成人においてもリスク増加を否定できないため、服用を控えた方がいいかもしれません。
ルルアタックやエスタックイブ、ベンザブロックなどの市販の風邪薬は解熱鎮痛成分としてNSAIDsを含んでいるため、安易に服用することは避けるべきでしょう。
NSAIDsに該当する成分や商品については、こちらの表が参考になるかと思います。
※インフルエンザ脳症のリスクについて因果関係そのものが明らかにされているわけではありませんが、医療用医薬品としてのNSAIDs添付文書(使用上の注意等)にも記載があります。
インフルエンザの時はNSAIDsよりもアセトアミノフェン?
医療機関においてインフルエンザと診断された際に、ロキソニンなどのNSAIDsではなく、カロナールなどのアセトアミノフェンを処方される場合があります。
これは、アセトアミノフェンがNSAIDsよりも解熱効果が穏やかであるため、上記合併症の発症が比較的低いというデータがあるためです。
市販の風邪薬にもアセトアミノフェンのみを含む解熱鎮痛剤がありますが、いずれにせよ自己判断はせず、診断を受けた医療機関や近所の薬局などに電話等で相談してみることが先決です。
インフルエンザを早く治すためには?
インフルエンザを早く治すためには、
- 安静にして睡眠を十分とること
- 脱水症状が起こらないように水分補給をすること
- 栄養をしっかり摂ること
が大切です。
また、小児は、解熱剤を使用することで「インフルエンザ脳症」を発症してしまう危険性がありますし、高齢者は肺炎や気管支炎などを引き起こす「肺炎球菌」に感染するリスクもあります。
なるべく早めに病院で診察を受けるようにしてください。