葛根湯の種類と効果や副作用を徹底分析!
テレビCMも良く見かけるようになって馴染みも増して来た葛根湯ですが、実際よくわかっていない方も少なくないのではないでしょうか。特に漢方薬ならアルコールを飲んでも大丈夫、などという間違った認識を聞いたときは驚きました。
漢方薬と言えども薬には変わりないので、その特徴や効果、副作用を簡単にまとめました。葛根湯を選ぶ際、服用する際の参考にしていただければ幸いです。
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葛根湯の特徴
葛根湯とは簡単に言ってしまうと漢方薬の1つです。主役は葛根(カッコン)という生薬でその他、麻黄(マオウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、甘草(カンゾウ)、大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)の7種類の生薬が合わさってできています。
各々の生薬にそれぞれの効果がありますが、葛根湯には発汗作用があり、漢方薬理的な考え方では「体を温め病気を発散して治す」辛温発表剤というものに分類されます。
その他の特徴として、西洋薬でありがちな、眠気を誘発することが無いと言われている点です。これは葛根湯に含まれている麻黄のお陰で目がぱっちりと覚めてきます。運転する必要がある方や、仕事、学校に行って眠くなっては困る方にはもってこいですね。
効能・効果
- 葛根(カッコン)・・・発汗や鎮痛の効果があるとされています。
- 麻黄(マオウ)・・・交感神経刺激薬のエフェドリン類が含まれていて、西洋医学の気管支拡張薬と同じような効能があるため咳や荒い呼吸を鎮める効果があるとされています。
- 桂皮(ケイヒ)・・・発汗や発散の効果があるとされています。
- 芍薬(シャクヤク)・・・鎮痛作用があるとされています。
- 甘草(カンゾウ)・・・炎症やアレルギー症状を緩和するとされています。
- 大棗(タイソウ)・・・これらの生薬の薬理的な衝突を抑えるとされています。
- 生姜(ショウキョウ)・・・体を温める効果があるとされています。
これらの生薬が穏やかにそれぞれの力を発揮することで、様々な症状に効く葛根湯となっています。
効果が期待できる風邪症状
葛根湯で効果が期待できるのは風邪のひきはじめの症状(感冒、鼻かぜ、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み)です。
- 寒気がする
- 頭が重い
- 首や肩が凝る
- 鼻がムズムズする
このようなものが風邪のひきはじめなので葛根湯の出番です。逆にすでに発熱していたり、何日も鼻水が垂れているような状態ではあまり効き目がありません。これは前述した通り、葛根湯が体を温めて、体温が免疫力を高め、自分の免疫力で風邪を治していく漢方薬だからです。
葛根湯服用時の注意点
葛根湯はどちらかというと体力のある人向けの漢方薬です。なので、体力のない人、胃腸の調子の悪い人、また、先ほど書いたように発汗の多い人には向きません。
麻黄に含まれる交感神経刺激薬のエフェドリン類は、高血圧や心臓病、脳卒中既往など、循環器系に病気のある場合には注意が必要です。それから、エフェドリンやテオフィリンなど交感神経刺激作用のある他の薬との併用にも注意が必要です。
また、芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬と一緒に飲むときは「偽アルドステロン症」という症状にも注意が必要です。同じく他の麻黄剤などを一緒に飲む場合も注意しましょう。特に医師から言われているなどでなければ、葛根湯と他の薬や漢方薬は一緒に飲まないほうが無難です。
葛根湯の主な副作用
葛根湯は漢方薬だから副作用はないと思われがちですが、そんなことはありません。副作用もあるので理解したうえで使用しましょう。葛根湯の主な副作用として挙げられるのは以下の通りです。
- 胃の不快感
- 嘔吐・吐き気・食欲不振
- 動悸
- 不眠
- 発汗過多
- 肝障害
- 偽アルドステロン症
- 発疹・発赤・かゆみ
重い副作用はあまりないとされていますが、肝障害や偽アルドステロン症は注意が必要です。この点については後述します。これらの副作用が見られたと思ったら軽視せず、すぐに服用を中止して医師に相談しましょう。
特に注意が必要なケース
葛根湯で特に注意が必要なケースは、先ほども出てきた肝障害と偽アルドステロン症です。まず肝障害はひどい倦怠感、強い吐き気、発熱、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)などが起きた場合には疑われます。あまり報告例は多くないようですが、これらの症状が見られたら服用を中止し、医師に相談しましょう。
それから偽アルドステロン症は甘草の作用により、大量に服用すると引き起こされる症状です。人の体が何らかの理由で血圧を上昇させる必要があるときは、ホルモンの一種である「アルドステロン」が増加することで血圧が上昇します。しかしこの「アルドステロン」が増加していないにも関わらず、高血圧やむくみを引き起こすのが「偽アルドステロン症」です。
偽アルドステロン症の初期症状として、だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足の痺れ、手足の痛み、筋肉の震え、力が入らない、低カリウム血症などがあります。これらの症状が見られたら服用を中止し、速やかに医師に相談しましょう。
葛根湯で肝障害と偽アルドステロン症は特に注意が必要なケースですが、かなり珍しいものなので必ず発症するわけではありません。万が一に備えて頭の片隅に置いておくと良いでしょう。
葛根湯のおすすめ製品
葛根湯はいろいろなメーカーが出しているので、人気度、対象年齢などを考慮しておすすめの葛根湯を3つ紹介します。
クラシエ / 葛根湯エキス錠
- 対象年齢:5歳以上
- 主な副作用:発疹・発赤、かゆみ、吐き気、食欲不振、胃部不快感
- 稀に起こる重篤な副作用:偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害
体力中等度以上のものの次の諸症、感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みに効果があります。
漢方薬なので仕方ないですが、味はあまり美味しくないという口コミが多いです。ただし、何年も愛用している方の中にはしばらくひどい風邪をひいてないという方もいるので風邪のひきはじめの強い味方と言えます。
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クラシエ / 葛根湯KIDS
- 対象年齢:4歳未満も可(1歳未満の乳幼児はやむを得ない場合のみ)
- 主な副作用:発疹・発赤、かゆみ、吐き気、食欲不振、胃部不快感
- 稀に起こる重篤な副作用:肝機能障害
体力中等度以上のものの次の諸症、感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みに効果があります。
子どもにあまり西洋薬を飲ませたくないお母さんが家に常備している方が多いようです。しかし葛根湯は風邪のひき始めを見極めるのが重要なので、上手く体調不良を訴えられない子どもに葛根湯を飲ませるのは困難という意見が目立ちました。
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ツムラ / 葛根湯エキス顆粒
- 対象年齢:2歳以上
- 主な副作用:発疹・発赤、かゆみ、吐き気、食欲不振、胃部不快感
- 稀に起こる重篤な副作用:偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害
体力中等度以上のものの次の諸症、感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みに効果があります。
ツムラの葛根湯は肩こりがひどいときに使用している方が多い印象です。風邪のひき始めはもちろん、肩こりにも使うので「家の薬箱から最初に無くなるお薬」という声が見られました。
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