風邪薬が効かない・効果が出ないときに確認すべきこと
辛い咳や鼻水、鼻づまり、風邪薬を飲んだのにも関わらず効果がないと感じる時、どうしていますか。間違っても薬を多く飲むようなことはしてはいけません。
なぜ効果がないと感じるのか、その理由、注意点、効果的な市販薬の選び方についてみていきましょう。
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市販の風邪薬が効かない場合
市販の風邪薬を飲んで効かない、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、市販薬であっても効果を期待できる成分が配合されています。ではなぜ効果がないと思うのか、考えられる理由としては以下の通りとなります。
- 風邪薬と症状が合っていない
- 風邪ではなく違う病
- 心因性の発熱
- 薬を常用している
風邪薬と症状があっていない
鍵(薬)と鍵穴(症状)が一致しなければいくら薬を飲んでも効果を得ることはできません。風邪薬を飲む際は症状にあった薬を選ぶ必要があります。
風邪の症状は熱、喉、鼻と様々です。これらの数ある症状を緩和させるための市販薬(風邪薬)には様々な種類があり、それらは大きく分けて3種類に分けられます。1つは全ての症状を網羅する総合感冒薬、2つ目は咳、痰の症状に特化したもの、3つ目は鼻の症状に特化したものです。
総合感冒薬を選べば大抵の症状を緩和することができます。しかしながら、症状に対する有効成分は1種類ではありません。例えば、咳を鎮める成分といっても、大きく3種類に分けられます。1つは咳中枢(脳の一部で咳を出す指令を出す)に作用するもの、2つ目は気道を広げるもの、3つ目は咳のきっかけとなる痰を除去するものです。このように成分によって、どの症状に有効なのかが変わってきます。
症状に合わせた市販の風邪薬を選ぶ最も良い方法は薬剤師の方に症状を伝えて選んでもらうことです。また、症状別の有効成分がわかれば自分自身でもある程度選ぶことができます。別ページ、「成分で選ぶ!症状に合う賢い市販の風邪薬の選び方」では症状別の有効成分について詳しく取り上げていますので参考までにご覧下さい。
風邪ではなく違う病
風邪の症状は他の病気の症状と共通する点が多く、実は違う病だったということも十分にありえます。また、風邪の悪化、二次感染を発症した場合なども市販の風邪薬が効かないと感じる要因となる可能性があります。
風邪によく似た症状の病としてはマイコプラズマ肺炎や百日咳、結核、蓄膿症、咳喘息などがあげられます。通常の風邪であれば熱のピークは2、3日、長くても7日、咳、鼻水は長くとも3週間で収まるとされています。
また、熱が39℃以上、24時間以内の急激な体温上昇があった、という場合も風邪ではない疑いがありますので早急に医療機関への受診をしましょう。風邪ではない場合早めの治療が求められます。
心因性の発熱
熱があると思って解熱作用のある風邪薬を飲んでも熱が下がらない場合、ストレスなどによる心因性の発熱である可能性があります。心因性の発熱の場合、風邪の症状とは異なるメカニズムで熱が出ているため、風邪薬の解熱成分では効果がない可能性があります。
こうした発熱は咳や痰、鼻水、鼻づまりといった風の諸症状はなく、微熱が続くという状態になり、この対処法としては十分な睡眠と休養をとることです。病院に掛かる際は、まず内科に、身体の異常がなければ心療内科、精神科への受診となります。
薬を常用している
該当する可能性は薄いですが、薬が効かない要因のひとつとしてあげられるのが薬の常用です。
風邪薬の成分の中には副作用として習慣性(依存性)を持つ成分があり、これが含まれる風邪薬を頻繁に飲むと、日常的に風邪薬を服用してしまう危険性があります。そして、日常的に薬を飲むことで、体が薬の成分に慣れてしまい、いざ必要になった時、薬が効かないといった状態になってしまう可能性があります。
習慣性をもつ成分として代表的な成分にはリン酸コデインやジヒドロコデインリン酸塩があり、これらは咳を鎮める作用をもちます。もちろん、必要な時のみ、用法用量を守って使用する分には問題のない成分です。
風邪薬が効かないときに注意すべきこと
風邪薬が効かないときやってはいけないこと、注意すべき点について見ていきましょう。
- 風邪薬の過剰投与
- 風邪薬との併用
- 病院へ行かない
上記3点は、風邪薬がなかなか効かないからといってやってはいけない行動です。それぞれの理由について以下で詳しく解説します。
服用する量を増やす(過剰投与)
風邪薬が効かないからといって最もやってはいけないことが過剰投与です。市販薬はそれぞれ1日の摂取目安量を計算して配合されており、定められた量以上に服用することはリスクが伴います。リスク例としては、肝障害、急性腎不全、肺炎などがあげられます。
市販の風邪薬は想像以上に副作用があり、市販薬での副作用の事例で最も多い原因が総合感冒薬とされています。リスクを避けるためにも市販の風邪薬は症状の辛い時のみの使用としましょう。
風邪薬を複数飲む、栄養ドリンクと一緒に飲む
量を増やすことと同様に、薬を併用することは成分の過剰摂取につながる可能性があるため危険です。
また、栄養ドリンクにはカフェインが多く含まれていることから、薬と併用することでカフェインの過剰摂取につながる可能性があります。だるさを解消するために栄養ドリンクを飲む方も少なくないと思いますが、注意が必要ですのでどうしても飲む場合はカフェインが含まれないものをお勧めします。
病院にいかない
市販の風邪薬を服用していて効果がなく症状が長引く(熱が7日以上続く等)、症状が重い、そのような時はすぐに医療機関への受診をしましょう。風邪ではない病、もしくは二次感染によって症状が悪化している可能性があります。
症状と有効成分から最適な市販薬を探しましょう
市販薬を購入する際、緩和したい症状に合った成分がわかれば、ある程度自分で探すことができます。ただし、市販薬であっても購入する際は薬剤師の方への相談が大切ですので、可能な限り相談することをお勧めします。
症状とその症状を緩和する代表的な成分は下記の通りです。自身の症状に合わせた薬を選ぶ際、参考までにご覧下さい。
症状 | 有効成分 |
熱 | イブプロフェン アスピリン アセトアミノフェン エテンザミド サリチルアミド イソプロピルアンチピリン |
咳 | ジヒドロコデイン コデインリン酸 デキストロメトルファン ノスカピン チペピジンヒペンズ酸塩 メチルエフェドリン塩酸塩 メトキシフェナミン塩酸塩 ジブロフィリン テオフィリン |
喉の痛み | トラネキサム酸 イブプロフェン グリチルリチン酸 アズレン |
痰づまり | ブロムヘキシン塩酸塩 アンブロキソール グアイフィネシン L-カルボシステイン グアヤコールスルホン酸カリウム エチルシステイン塩酸塩 生薬成分(キキョウ、セネガ他) |
鼻水・鼻づまり | クロルフェニラミンマレイン酸塩 エピナスチン塩酸塩 ヨウ化イソプロパミド プソイドエフェドリン塩酸塩 メチルエフェドリン |
成分によって副作用のリスクもあります。症状に合わせたおすすめの風邪薬については別のページにご用意しておりますので、しっかりと症状を判断して風邪薬は賢く選びましょう。