妊婦必見!安心して飲める風邪薬と服用可能時期
妊娠中は気をつけなければいけないことが多くあり、薬についても悩ましい問題ではないでしょうか。実際、妊娠中に服用しない方が良い市販の風邪薬は多く、服用する際も成分、時期を気にかける必要があります。こちらのページでは服用可能な市販薬と服用可能期間、服用できない成分について紹介させていただきます。
ただし、市販薬を自己判断で使用することは危険性があり、できる限り使用しないほうが良いとされています。そのため妊娠中に風邪を引き、症状が辛い場合は医療機関へ受診し、医師の判断を仰ぐことをお勧めします。
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妊娠中の風邪薬は絶対にダメ!?
妊娠中は免疫力が低下し、風邪をひきやすくなります。軽度の症状であれば胎児へのリスクも考えて薬を使わずに治したいところです。
しかし、高熱や激しい咳は胎児への影響があります。胎児の体温は母親の体温の+0.5℃とも言われ、熱が出れば胎児、羊水の温度も母体以上に上がってしまいます。そして激しい咳は腹部を圧迫し、切迫流産や切迫早産となることも、可能性としては低いながらありえることです。
そのため、妊娠中の風邪も症状の度合いによっては薬が必要となる場合があります。
また、気づかず、1日、2日、市販の風邪薬を飲んだからといってすぐに胎児への影響が出るというものではありません。実際、妊娠中に市販薬を服用した、してしまったという方は少なからずいらっしゃいます。
また、先天異常をはじめとした薬害についても以下で取り上げますが、可能性としてはどれも低く、神経質になる程ではありません。ですが、リスクを把握し、注意することは大切なことだと言えるでしょう。
妊娠中に風邪薬の服用が可能な期間
妊娠中に薬を服用できる時期とそうでない時期は胎児の成長によってきまります。
- 妊娠0~3週目:○
- 妊娠4~7週目:×
- 妊娠8~15週目:×
- 妊娠16週目~出産:△
- 産後:△
妊娠0~3週目
風邪薬を服用しても大きな影響はないといわれています。
この期間はまだ胎児の器官は形成されていないため薬の影響を胎児が受けることはほぼないとされています。また、この時期は妊娠にも気づきにくく、仮に風邪薬を飲んでしまったとしてもさほど心配する必要はありません。
妊娠4~7週目
風邪薬の服用には最も注意が必要です。
妊娠4~7週目は絶対感受期とも言われ、まだ胎児の形にはなっていないものの、心臓をはじめとした主要な器官ができ始める大切な時期です。この時期での薬の服用は最も影響が出やすいとされており、可能性として低いものの、心臓や手足の先天異常(奇形)が懸念されます。できる限り薬の服用は避けましょう。
先天異常を引き起こす成分としてはサリチル酸系の物質、アスピリンなどがあげられます。
妊娠8~15週目
風邪薬の服用には注意が必要です。
妊娠3カ月になると胎児らしい形ができ、主要な器官もほぼ完成するため薬の影響は少なくなります。しかしながら、この時期は細部の器官、口蓋や外性器などが作られる時期であり、それらへの影響が懸念されます。薬害の症例としては口唇裂や口蓋裂、女性外性器の男性化があげられます。
妊娠16週目~出産
風邪薬を服用しても大きな影響はないといわれています。ただし成分には注意が必要です。
妊娠16週目を過ぎると胎児の器官はほぼすべて完成し、男女の見分けがつくほどになります。ここまで成長すると風邪薬などを服用しても胎児への影響はほぼなくなるとされています。
しかしながら、イブプロフェンやロキソプロフェン等の解熱鎮痛成分は妊娠28週以降(32週以降)の摂取で胎児の血管系に悪影響を及ぼすとされています。
授乳期
風邪薬を服用しても影響はないといわれています。ただし成分には注意が必要です。
風邪薬の服用は概ね問題ありませんが、薬の成分が母乳を通して子供への影響を与える可能性があります。特に、咳を鎮める成分(麻薬性中枢性鎮咳薬)のリン酸コデインやジヒドロコデインリン酸塩には乳児がモルヒネ中毒となったという症例があります。
妊娠中に服用可能な風邪薬の成分
妊婦中に風邪薬が服用できるかできないかを判断する基準は成分にあります。それぞれの成分について見ていきましょう。
- アセトアミノフェン:解熱鎮痛作用
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩:鎮咳作用
- カルボシステイン:去痰作用
- d-クロルフェラミンマレイン酸塩:抗炎症作用
アセトアミノフェンについては妊娠中通して服用しても問題ないとされています。しかしながら妊娠4~15週目は注意が必要な期間です。
妊娠中に服用可能な市販薬
妊娠中に服用可能とされている市販薬を紹介させていただきます。ただし服用の際は医師や薬剤師への相談が必要とされています。
タイレノール
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主要成分はアセトアミノフェンのみですので妊娠中でも服用可能な薬とされています。
パブロン50
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総合感冒薬です。ただし鼻水の症状には効果がありません。解熱成分のアセトアミノフェンと鎮咳作用をもつデキストロメトルファン臭化水素酸塩が配合されています。
妊娠中に服用できない成分
- NSAID(ロキソプロフェン・イブプロフェン・アスピリン):解熱鎮痛作用
- 麻薬性中枢性鎮咳薬(リン酸コデイン・ジヒドロコデインリン酸塩):咳を鎮める
- カフェイン
NSAIDとは炎症を引きおこすプロスタグラジンという物質の生成を抑制することで解熱鎮痛作用を表す成分の総称です。これら成分のうちロキソプルフェン、イブプロフェンは妊娠28週以降(32週以降)に摂取すると胎児の心臓や血管へ悪影響を及ぼすことがわかっています。また、アスピリンは先天異常(奇形)を引き起こす可能性があるとされています。
麻薬性中枢性鎮咳薬は咳を鎮める効果の高い成分であり、多くの風邪薬に配合されている成分です。ですが、妊娠中はもちろん、授乳中での影響も多くあるとされ、母乳を通して乳児がモルヒネ中毒になってしまったという事例も報告されています。
カフェインは多くの風邪薬に配合されている成分であるため注意が必要です。カフェインは、胎児、乳児の発育に支障をきたすとされており、その理由は胎児、乳児がカフェイン分解できないことによる負荷と妊娠中の胎児への血量減少にあるとされています。
妊娠中でも漢方薬は服用可能?
妊娠中に風邪薬を飲むのは少し心配、という方は漢方薬を利用してみるのも良いかと思います。一般的には、漢方薬はお腹の中の赤ちゃんに直接的な影響は与えないとされており、妊娠中に病院へかかった際、漢方薬を処方してもらったという妊婦さんも多いのではないでしょうか?
とは言っても、漢方薬にも非常に沢山の種類があるため、全てにおいて安心安全というわけではありません。妊娠中というのは何かがあってからでは遅いので、必要以上に慎重になっても問題ありません。ですので、我慢できる程度の症状なら漢方薬であっても飲まない方が賢明です。
以下で、妊娠中の風邪の場合に飲むならこの漢方薬が良いというものを紹介しますが、漢方薬を全面的に信頼し、安全で副作用のないものだと過信して個人の判断で摂取するのは危険です。不安な場合は必ず病院へ行って診断を仰ぎましょう。
天津感冒片(てんしんかんぼうへん)
風邪による喉の痛みや口の渇き、せきや頭痛に効果のある漢方です。妊婦または妊娠していると思われる人は、服用前に医師や薬剤師に相談することが推奨されています。
葛根湯(かっこんとう)
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風邪の寒気や頭痛などに効果があるとされる漢方です。効き目が比較的穏やかなため、妊婦さんにも処方されることが多い漢方薬ですが、服用前には医師や薬剤師に相談することが推奨されています。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
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たんを伴う咳や、鼻水鼻炎に対して効果のある漢方です。妊婦または妊娠していると思われる人は、服用前に医師や薬剤師に相談することが推奨されています。
妊娠中の風邪予防
できる限り風邪薬を使わずに妊娠出産の時期を過ごすためには予防対策が大切です。免疫力が低下しやすい妊娠期間中は普段に増して気を付けましょう。
- 外出したら手洗いうがい
- 外出時のマスク着用
- 十分な睡眠
- 身体を冷やさない
予防対策と言ってもどれも基本中の基本。しかし、その基本の徹底が風邪予防に最も効果的な対策とされています。習慣になっていないと忘れがちな対策なので改めて確認しておきましょう。