目薬の値段と効果の違いについて
薬局などで目薬を選ぶ時、多くの方が持つ疑問の一つが「高い目薬と、安い目薬って何が違うのか?」というものです。意外にも「どの症状にどんな目薬が良いのか?」ということではありません。
実際薬局に並んでいる目薬の値段には、数百円のものから千数百円するものまでその値段の幅はかなりあると言えます。ここではそんな目薬の値段と効果の違いについて解説していきます。
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目薬の値段の違いはなぜ生まれるのか
薬局などで目薬を買おうと思った際に、多くの方が一度は思ったことがあるでしょう。「目薬の値段にはなぜこんなに価格差があるのか」という疑問。
実際に目薬に関して大手と言われるメーカー三社と言われる、参天製薬、ライオン、ロートの目薬について、価格.comでその価格差を調べてみました。
その結果、最も安いもので200円台、最も高いもので1,500円台と、その価格差は実に7倍以上という結果となっています。なぜここまでの価格差が生まれるのでしょうか。
メーカー、ブランド力による目薬の価格差
まず、メーカーやブランド力による目薬の価格差があるかどうかについて調べていきます。そこで先ほどの三社において価格コムにおける平均価格が500円までの目薬、501円から1,000円までの目薬、1,001円以上の目薬に分類してその数を調べました。
参天製薬 | ロート製薬 | ライオン | |
~500円 | 12 | 9 | 12 |
501円~1,000円 | 7 | 17 | 6 |
1,001円~ | 1 | 3 | 1 |
この結果から、ロート製薬は販売している目薬の種類が多いことを加味しても、501円~1,000円という価格帯での商品の数の割合がもっとも高く、比較対象をメーカーという点のみに絞った場合にはロート製薬の目薬は、比較的値段が高いと言えるかもしれません。
使用目的別の目薬の価格差
まずは、使用目的別の目薬の価格差です。目薬とひと口にいっても、使用の目的にはいくつかのものがあるでしょう。ここでは目薬をどんな目的で使用するかについて、上記三社の目薬を、その使用目的別に目薬を分類を大きく「アレルギー」、「疲れ目」、「コンタクト」の三つに分類し、それらの目薬の平均の値段を比較してみました。
その結果、アレルギーに対する目薬の平均価格は766円、疲れ目に対する目薬の平均価格は438円、コンタクト用の目薬の平均価格は447円という結果となっています。また“ものもらい”などに使われる抗菌タイプの目薬の平均は458円となっていました。
以上のことから、平均的な値段が最も高い目薬は、「アレルギー」に用いられる目薬であるということが言えるでしょう。
含まれる成分による目薬の価格差
さてここからが本題と言っても過言ではありません。たとえば疲れ目に対する目薬を買おうと思った時や、アレルギーに効く目薬を買おうと思った時、同じ効能をうたったものでもその値段には差がある場合があります。
その場合に、なぜ価格差が生まれるのかと言う点において、含まれる成分による違いを考えるのが当然と言えるでしょう。では実際に含まれる成分の違いによってどれくらい価格差が発生するのでしょうか。
疲れ目に対する目薬の価格差
その結果、疲れ目に対する目薬の最安値は200円、最高値はなんと1,177円とその差はなんと5倍以上。1mlあたりの値段に換算しても4.7倍ほどの価格差です。この価格差のワケは一体なんなんでしょうか。
まず価格コムで200円として出ている目薬は、ロート製薬の「ロートクール40α」です。一方で最も高い値段となっているのはライオンの「スマイル40プレミアム」の1,177円です。さてこの違いについて、含まれる有効成分で比較してみます。
どちらの目薬にも含まれる成分は「コンドロイチン酸エステルナトリウム」、「L-アスパラギン酸カリウム」「ネオスチングミンメチル硫酸塩」「酢酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE)」「ビタミンB6」「クロルフェニラミンマレイン酸塩」となっています。
では価格が5倍もする「スマイル40プレミアム」にだけ含まれる成分には何があるのでしょうか。
「レチノールパルミチン酸エステル(ビタミンA)」、「タウリン」、「塩酸テトラヒドロゾリン」、「イプシロン-アミノカプロン酸」の四種類の成分が高い方の目薬には含まれています。
ではこれらの有効成分が含まれていると高いのか!?というとそういうわけではありません。
ライオンから発売されている価格285円の「スマイル40EXマイルド」には、「レチノールパルミチン酸エステル(ビタミンA)」、「塩酸テトラヒドロゾリン」、「イプシロン-アミノカプロン酸」が含まれています。
ということは「タウリン」がめちゃくちゃに高いのかというと、価格コムで437円と紹介されているサンテ40ゴールドにも含まれる成分となっています。
このことから分かることは有効成分の種類が多く含まれる目薬は値段が高くなるということです。これらの有効成分にはそれぞれ効能が異なるため、値段が上がるほどその効き目の幅が広くなるということが期待できるでしょう。
アレルギーに対する目薬の価格差
ではアレルギーに対する目薬の価格差も、疲れ目に対する目薬と同じような要因で価格差が生まれるものなのでしょうか。まず、アレルギーに対する目薬ですが、価格差は399円から1,542円とかなり広くなっています。
しかしアレルギーに対する目薬については、ある一つの成分が入っているか入っていないかによって価格差が生じていると言えるでしょう。
その成分が「クロモグリク酸ナトリウム」という成分です。これは細胞膜を破れにくくし、アレルギー反応を抑える成分で、この成分が入っている目薬は、他のものに比べると値段がかなり上がります。
目薬の値段と効果の違いに関するまとめ
以上のことから、目薬の価格差を分けているのは、有効成分が含まれる量や、ある特定の有効成分が含まれているかどうかという点が一つの大きな要因となっていると言えるでしょう。
しかし、多くの有効成分や、ある特定の有効成分が含まれている価格の高い目薬が必ずしも効果が高いということは言い切れません。
今現在出ているその症状を抑えるために、その有効成分が必ずしも有効であるとは限らないでしょう。そのため重要なのは目薬の値段ではなく、その目薬がしっかりと使う人に合ったものかということになります。
つまり、しっかりと薬剤師に相談したり、色々な目薬を試すということが、自分に合った目薬にである為に重要なことだと言えるでしょう。