マウスウォッシュの危険性と注意すべき成分や使い方
マウスウォッシュは歯のケアに便利なマウスウォッシュですが、殺菌作用などの効果から薬用タイプが存在します。つまり中には薬用成分である化学薬品が含まれているということです。
化学薬品ともなると危険じゃないの?という疑問も出てくると思います。もちろん体に影響が出ないよう配慮はされていますが、それでも入っている成分と危険性については知っておくべきです。そこでこちらではマウスウォッシュの危険性と注意すべき成分や使い方についてご紹介します。
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マウスウォッシュの危険性とは?
マウスウォッシュについては様々な声が挙がっています。巷では「マウスウォッシュは危険で無意味」という内容の噂まで出ています。情報を得やすくなったこのご時世だからこそ賛否両論の意見を目にすることがあるでしょう。しかし危険かどうかは噂を真に受けるのではなく、自分でも調べてみることも大切です。
また調べた内容について、それが本当に危険かどうかを判断するためにも多面的な見方をする必要も出てきます。さて危険性についてですが、結論から言うと人体に「無害」とは言えません。なぜならマウスウォッシュは医療用医薬品として扱われる薬用タイプの場合、殺菌効果を含んでいます。
殺菌するとなれば、含まれる薬品によるものであり、殺菌するほどの効果ともなれば人体にも影響を与える強い効果を持つ成分になります。
そうでなくても薬品というのは正しい使い方をしなければ危険なものです。そのため多くの薬品は薬事法により医師や薬剤師の処方なしでは購入できないものとなっています。これが第一類医薬品です。
一般的に購入できるマウスウォッシュは第二類医薬品となっているので効果としては抑えているものの、危険な成分が含まれていないわけではないので、医薬品として扱われるのです。
薬は正しく使わなければ毒にもなります。そうなるとマウスウォッシュも成分を正しく理解し、用法用量を正しく守ることで、出来る限り体に影響を与えることなく必要な効果を得られるということになります。
マウスウォッシュが危険視される理由
含まれる薬品が与える影響が体に及ぼされる可能性があるという結論だったわけですが、もう少し具体的に見ていきましょう。
まずマウスウォッシュに含まれる危険な薬品として代表的な物がラウリル硫酸ナトリウムが挙がります。成分の詳しい話は後述させていただくとして、こちらは洗浄力が高く口内の洗浄の為に含まれていますが、分子が小さいため肌からも浸透しやすくなっています。
肌や傷口があった場合はそこから体内に侵入することがあり、毒として作用することがあるので危険視されています。もちろんこれは代表格なのであって他にも危険だとされる成分はたくさんあります。
また口内には虫歯菌や歯周病菌だけでなく、常在菌と呼ばれる口内の細菌バランスを整えてくれるものも存在します。マウスウォッシュの殺菌効果は虫歯菌や歯周病菌にピンポイントに効果を発揮するものではなく、無差別に殺菌するためこの常在菌をも死滅させてしまいます。
これによって体調不良になったり、口内の細菌バランスを崩してしまったりすることがあるため危険視されているということもあるわけです。
危険性が示唆されるマウスウォッシュの成分
それでは危険性が示唆されるマウスウォッシュの成分を見ていきましょう。その前に断っておきたいのは、危険性を説いてきましたが全ての製品がそうというわけではありません。もちろんメーカー側も危険性がある成分は百も承知であり、そのような成分をなるべく除いた製品というのも製造しています。
要は使うユーザー側が正しい知識をつけ、成分で製品を選ぶ、あるいは正しい用法用量で使用することを心がけることでこの危険性を出来る限り排除することができるということを理解しておいてください。
主に危険性があるとされる成分は以下の7つです。
- ラウリル硫酸ナトリウム
- トリクロサン
- 塩化セチルピリジニウム
- サリチル酸メチル
- サッカリンナトリウム
- パラベン
- エタノール
それでは正しい成分知識をつけるためにも、危険性があるとされる成分をご説明していきます。少し難しい内容も含みますが、しっかりついてきてください。
ラウリル硫酸ナトリウム
先ほども登場したラウリル硫酸ナトリウムは陰イオン性界面活性剤の1つです。乳化剤や発泡剤、洗浄剤として日用品では歯磨き粉、シャンプー、髭剃りクリーム、泡風呂、リキッドファンデーションなどに含まれます。
マウスウォッシュに含まれるのも、この成分が持つ洗浄剤としての役割を発揮させるためです。この成分は洗浄に不可欠な両親媒性特性を有します。この特性は簡単に説明すると水にも油にもなじむため、汚れを浮かせ取り除く作用を持っていることになります。
問題はこの成分の人体への影響で、こちらも先述しましたが、分子構造としては小さいため肌から浸透しやすくなっています。肌または傷口から体内に入ると毒となる可能性もあります。これを経皮毒と言いますが、その中でも最も危険視される影響が発癌性としての毒性です。
しかしこれは厚生労働省の精密な追試などで確認されておらず、誤解であることが分かっています。現在でもカナダ健康省、米国癌学会の中でも発癌性リストに載ったことはありません。
それなら危険性がないかというと、そういうわけではありません。この成分は他の界面活性剤と同じく皮脂を取り除くため、皮膚や眼などに炎症を起こす可能性があります。
特に眼に入った場合、そのままにしておくと視力の低下や最悪失明に繋がることがあるので、大量の水で洗い流す必要があります。
最近はラウリル硫酸ナトリウムよりも分子が大きく、皮膚から吸収される経皮吸収の危険性が少ないラウレス硫酸ナトリウムを使用する製品が主流となってきています。
トリクロサン
トリクロサンは薬用石鹸やうがい薬、食器用洗剤、練り歯磨き、脱臭剤、手の消毒剤、化粧品など様々な場面で使用されている抗菌剤です。
トリクロサンは高濃度では複数の細胞質と細胞膜を標的に殺生物剤として、低濃度ではエノイル酵素に結合し、脂肪酸合成を阻害することにより静菌的に作用します。ただしヒトはエノイル酵素を持っていないため影響を受けないとされています。
そうであるならば殺菌・抗菌作用の効果のみ得られるとも考えられますが、それ以外でも影響を及ぼす可能性が示唆されているのです。それがホルモンを攪乱する可能性です。
動物研究で甲状腺や女性ホルモンであるエストロゲン、男性ホルモンのテストステロンなどに影響を与える可能性や、一般的な抗生物質に対する薬剤耐性を強化してしまう可能性が指摘されています。
また一部では発癌性の危険性も指摘されています。トリクロサンによりマウスに肝腫瘍が発症したという研究結果を発表、直接の発癌性物質ではないものの発癌プロモーターと呼ばれる「DNAが傷つけられた細胞の増殖制御システムを乱し、癌細胞化させる物質」であるとしました。
ただし、ヒトに対する反応を常に予測するものではなく、あくまでトリクロサンが有害かもしれないという証拠を新たに増やしたという結果であり、使用量が少なく健康上の価値があると分かっているものについては今のところ使用は許可できるとされています。
塩化セチルピリジニウム
こちらも殺菌剤として含まれる成分です。ブドウ球菌をはじめとしたグラム陽性バクテリアに対する殺菌作用があり、その他真菌に対しても殺菌作用を有します。
その特性から口内の殺菌を目的としており、このマウスウォッシュの他、トローチやのど飴、うがい薬などの医薬品に利用されています。
過剰に摂取しない限り、危険性はありません。ただ副作用として、口腔や咽頭での刺激感や不快感、発疹などの過敏症を起こす可能性があります。比べるものではないですが、上記2つの成分よりは危険性は高くないと言えます。
サリチル酸メチル
サリチル酸メチルは高校化学でも習うほどメジャーな成分です。その成分の使用法は広く、高濃度では貼付剤として関節痛・筋肉痛のケアに用いられ、有効性の根拠は弱いものの、慢性痛よりも急性痛の効果を示すため、その効果は完全に反対刺激効果に由来するものとされています。
低濃度では食品添加物として香料に使用されています。様々な製品の香料にも用いられており、殺虫剤や臭い消し材としても添付されています。マウスウォッシュの成分としては消炎鎮痛剤の効果を発揮しています。
このサリチル酸メチルは純粋であればあるほど有毒であり、体内に入ると発疹や頭痛、吐き気、食欲不振などを起こします。体外で使用しても副作用を及ぼす可能性があるので、誤飲するなど体内に入れてしまうのは非常に危険であることが分かります。
サッカリンナトリウム
サッカリンナトリウムは天然に存在しない添加物であり、水溶液はショ糖の350倍あるいは200~700倍の甘みとしびれるような刺激の後味を持つ成分です。
歯磨き粉にも多く使用されており、口の中に入れた時、不快な味にならないように配合された甘味料という意味合いが強い成分です。
サッカリンナトリウムの元ともなるサッカリンは弱い発癌性を持っているとされていましたが、様々な研究でその危険性は否定され、現在では発癌性物質リストから削除されています。
ただしだからと言って安全とも言えません。人工甘味料の中でも比較的毒性が高いと言われており、1日5~25gで下痢や胃酸過多などの急性毒性も見られます。
現在はスルラロース・アセスルファムカリウム・アスパルテームなどにとって代わられましたが、これはあくまで加工食品であり、マウスウォッシュなど多量に体内に取り込まないものについては未だに使用されています。
パラベン
防腐剤としてマウスウォッシュの中に含まれています。正式名称はパラオキシ安息香酸エステルと呼ばれ、食品や医薬品、あるいは化粧品の防腐剤成分として含まれていることが多いです。
広い菌種に対して静菌作用を示し、通常はエステル部分の異なるパラオキシ安息香酸エステルを組み合わせて使用されます。
昔は濃度も高かったためアレルギーを引き起こす可能性や、発癌性としての可能性があるとの指摘もありました。しかし現在は使用されている濃度も下がり安全な物質となりました。
エタノール
こちらも殺菌効果を得るために含まれる成分です。ご存知の通りエタノールはアルコールの一種であるため、アルコールに弱い方は誤飲すると酔う可能性があります。
また幼児が誤飲してしまった場合は、アルコールを分解する酵素が無いあるいは少ないため分解できず強烈な二日酔いの状態になったり、最悪急性アルコール中毒になることもあります。
幼児にとっては毒でしかないので大変危険です。大人でも多量に誤飲した場合は危険なので、すぐに病院での診察を受診することをおすすめします。また最近はノンアルコールのものも販売されているので、そちらを使用するという手もあります。
成分以外に注意すべきポイント
これで危険性があるとされる成分を知っていただけたと思います。しかし、これを知っただけで安全に使用できるわけではありません。成分以外にも注意すべきポイントがあります。
使用上の注意は守られていなければ効果を期待できないところか、虫歯などのリスクが増加する恐れさえあります。先述した通り、薬用タイプのものは特に用法用量は正しく守ることが大切です。それでは注意すべきポイントを見ていきましょう。
マウスウォッシュの使いすぎに注意
これについては先ほども軽く触れましたが、殺菌のしすぎにより常在菌の数まで著しく減らしてしまう可能性があるためです。常在菌の存在のおかげで、虫歯菌や歯周病菌が抑えられていることもあります。
常在菌が減ると、それまで一定の割合で拮抗することで増殖が抑えられていた病原性の強い菌が一気に活動し始めます。常在菌は病原性が弱い、あるいは無い菌がほとんどなので、害はなくむしろ虫歯菌などを抑えてくれる細菌なので減らしすぎは良くないということになります。
>>マウスウォッシュの使い方と効果的なタイミング
歯磨きと併用しなければ無意味
マウスウォッシュと呼ばれる洗口液も液体歯磨きも、どちらも歯磨きの補助でしかありません。そのため歯磨きと併用しなければ意味がありません。
特に洗口液は歯磨き後に使用しますが、これは歯磨きによるブラッシングで歯についた歯石やバイオフィルムを除去しなければ、内部に潜んだ細菌を殺菌できないためです。マウスウォッシュにはこれらを除去する効果はないため、ブラッシングをしなければ殺菌できません。
つまりマウスウォッシュの効果をしっかりと得るためには歯磨きは必須となります。
安全性で選ぶおすすめマウスウォッシュ:厳選3種
それではここからは安全性で選ぶおすすめのマウスウォッシュをご紹介します。出来るだけ危険な成分を含んでいないものを選んでいるので、体内に入っても影響の少ないものとなっています。
>>マウスウォッシュの人気ブランドおすすめランキング:TOP10
モデーア(MODERE) / マウスリンス
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アルコールフリーのマウスウォッシュで、爽やかなミントの香りを持つ製品です。主成分にも亜塩素酸ナトリウムやリン酸を使用しているため体には比較的安全な成分となっています。
もちろん高濃度下や用法用量によっては体に危険を及ぼすこともありますが、希釈して使われていることもあり、使い方さえ間違えなければ、それほど影響はありません。
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こちらはClO2(二酸化塩素)が基本成分となっており、口臭の原因や口腔内の汚れ等に直接働きかけ長時間口臭予防をしてくれます。
このClO2は水道水の浄化や市販の小麦粉にも利用されており、国連の専門機関でも生体に無害な「安全性レベルⅠ」に認定されているほど安全性の高いものとなっています。毒性のある塩素とは全く異なる物質なので安心です。
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