耳での体温計の使い方と正しい体温の測り方
体の温度を測る上で使うのが体温計ですが、一般的に使われているものの多くは特定結果が出るまでに時間がかかります。最近は技術の進歩により数十秒で測れるものも出てきましたが、それよりもさらに短い時間で測定できる機器があります。
しかも腋下や舌下、直腸といった場所ではなく、耳で測定する機器です。それが耳式体温計になります。しかしこちらは通常の体温計と測り方が少々異なります。そこでこちらではご存知ない方々のために、耳での体温計の使い方と正しい体温の測り方についてご紹介してきます。
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耳で体温を測るメリット
なぜ、腋下ではなく耳で測定するのか、それは体内の温度、特に脳温に近い温度を測るには最適な場所になるからです。脳温と言われると聞き慣れないかもしれませんが、良質な睡眠を取るために、この温度が深く関わっているのです。この関連性については耳式体温計の紹介ページにて詳しく記載していますので、そちらを参考にしてください。
さて、この脳温は体内の温度である核心温に非常に近いと言われます。そのため耳式体温計は体内温度を測定するには適している体温計になります。これは舌下温や直腸温でも測れますが、この2つの測定方法は衛生面で問題があり、個々人用の体温計を準備しておくなどのデメリットがあります。
しかし耳で測定するのであれば粘膜接触などもなく、衛生的に問題なく測定することができるメリットがあります。また腋下温を含む3つの測定はサーミスタ式体温計などを使用することになるので、予測式であれば20~30秒、実測式なら長いと10分はかかってしまします。またその間は安静状態にしていなければいけません。
それに対して耳式体温計はものの5~10秒で測定が終了するので、短時間で測定ができ、安静状態が保てない方でも瞬時に終わるため、測定できないという心配がないのです。赤ちゃんなどはじっとしていられないことが多いので、この測り方は適していると言えます。
耳で体温を測るデメリット
耳で温度を測る方法はメリットばかりではありません。実は誤差が出やすいというデメリットがあります。耳式体温計は鼓膜から出ている赤外線を検知して、そこから温度を読み取ります。詳しい仕組みは、先述通り関連ページをご覧いただくといいのですが、耳の穴は直進しておらず、また鼓膜からの赤外線を読み取りにくくなっています。
そのため正確な使い方をしないと、正しい数値が出ません。よく見かける意見が、測定してしばらく置いてから再度行うと、誤差が生じるというものです。それくらいシビアだということになります。
その代り正しく読み取れさえすれば、外気の影響を受けにくいので体内の温度を正確に測れるというメリットもあります。自分で測定する場合には、操作する手や耳の穴を見ることができないので、何度が練習して正しく使う方法を身につけることが必要となります。
また機器自体がサーミスタ式より複雑と言うこともありやや高額です。そうなるとそれを購入して使用しなければならない以上、機器としての正確さを今後の技術向上や改良に期待したいところです。
耳で測れる体温計の種類
先述から再三出てきていますが、耳で測れる体温計は専用の耳式体温計だけになります。水銀体温計やサーミスタ式体温計を耳の穴に突っ込んでも測定できません。そもそも狭い外耳道にこれを突っ込んだら非常に痛いです。
耳式体温計はプローブ部分がそれほど長くないので、鼓膜まで先端部が到達することはありません。だからこそ鼓膜から距離が出来てしまうため、赤外線を上手く捉えるには練習とコツがいるのです。現状これしか使用できる体温計はないので、耳で測定したい場合は購入していただくことになります。
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耳での体温計の使い方・体温の測り方
それでは耳での体温計の使い方や体温の測り方についてご紹介してきます。こちらは正しい使用方法がなかなか難しいので、まずはざっと自分で測定するときの手順を記載しておきます。
- 安静状態を保てるようリラックスして座る、あるいは寝られる状態を作る
- 本体の電源を入れ、℃の表示が出るのを確認する
- プローブを耳に入れる
- 自動的に測定が始まるので、プローブを左右に動かす
- プローブを耳に入れたままでスイッチを押し、測定終了まで待つ
自分で測定する場合は、このような手順で測定します。しかしこれを行うにあたって注意事項もありますので、この手順を踏まえた上で、ここからはそちらを説明させていただきます。
体温を測る前の注意点
ご存知の通り耳の穴、つまり外耳道は非常に狭いです。そのためゴミなどが溜まりやすい場所でもあります。ゴミが残った状態では障害物となってしまい、赤外線を上手く捉えることができません。耳掃除はしっかりしてから計測をするようにしてください。
また体温を測る時は安静状態が必要です。この際、飲食や入浴、運動などをした後および外出後の30分間は検温に適しませんので避けてください。平常時はリラックスできる状態を、体調不良の時には体を動かさず静かにしていることを作るのが「安静状態」だと思っていただければいいです。
他の測定の方法であれば、辛い場合は横になって測定してもらってもいいのですが、耳式体温計の場合は操作がしにくくなってしまうので、辛いでしょうが数秒のことなので座位で行うようにしてください。
耳で体温計を使う際の正しい位置
耳式体温計を使う上での正しい位置は、プローブ及び先端部分が真っ直ぐ耳の奥の方を向いて状態です。プローブ部分を出来るだけ奥の方向に深く入れ、体温測定を行う必要があります。
体温計使用時(検温中)の注意点
誤差が生じる1つの原因として、毎回同じ角度と深さで測定できていない可能性が挙がります。そのため測定するときに、角度と深さを一定に保てるようにしましょう。ものの数秒なのでそれほど大変ではありません。しかし測定が開始したらじっとして、測定結果が出るまで同じ状態を保てるようにしましょう。
これは時間を置いてから測定する場合も同様です。角度と深さが変わってしまうと結果に変化が生じてしまうので、毎回測る時には出来る限り同じ位置になるようにして測定しましょう。
他人や子供の測り方
他人や子供を測定する場合には少々やり方が変わります。これは自分で行う時より容易で、操作する手や耳穴を見ることが出来るためです。その手順を以下に記載しておきます。
- 耳の上部分をかるく後方にひっぱり耳の穴をまっすぐにして、プローブを耳の穴に沿って入れる
- そのまま測定ボタンを押し、測定開始をする
- 測定終了の知らせが出るまで待つ
他人の測定をする方が簡単で正確に出来る可能性が高くなります。ただ注意事項は自分でやる場合と変わらないので、そこはしっかりと守って測定をしてください。