歯科医も推奨!ワンタフトブラシを使った上手な歯の磨き方
薬局やスーパーなどへ行くと多くの種類の歯ブラシを目にすると思います。皆様が使われている歯ブラシもそんな中から選ばれた1本だと思いますが、その毛先の部分にはそれぞれ特徴があります。それは磨き方や目的によって効果が変わります。
そんな毛先の形状の中に、ワンタフトと呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか。実はこの歯ブラシ、仕上げ磨きなどに非常に効果の高い歯ブラシなのです。こちらではそんな効果が高く、歯科医も推奨するワンタフトブラシを使った上手な歯の磨き方をご紹介していきます。
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ワンタフトブラシとは?
そもそもワンタフト歯ブラシとは何なのか、ご存知でない方もみえるので、そこからご紹介していきます。
ワンタフトのタフトとはそもそも「tuft」と言う英語であり、これは髪や毛、羽毛などの房を意味します。つまりワンタフトとはその房が一つにまとまっていることを表しています。
つまりワンタフトブラシとは歯ブラシのヘッド部分が丸く、毛先が一塊になっている歯ブラシのことを言います。「タフトブラシ」、「プラウトブラシ」、「インプロ」などの商品名がありますが、どれも使用方法は同じようなものとなっています。
普通の歯ブラシでは磨きにくい場所をピンポイントで磨くことが出来るのが特徴ですが、ワンタフトブラシだけで全ての歯を磨くと時間がかかりすぎるので、全体を一般的な歯ブラシで磨き、仕上げとして磨き残した部分のブラッシングをワンタフトブラシで行うのが一般的な使い方です。
ワンタフトブラシの効果
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ワンタフトブラシの利点は先述した通り、細かい部分など磨き残しが出てしまう箇所を重点的にブラッシングできることです。これにより、歯ブラシによる歯垢除去を効果的に行えます。
ワンタフトによって磨くことができる場所は、歯ブラシでは磨きにくい一番奥の歯や、親知らずの隙間、重なり合っている歯の隙間や歯周ポケット、矯正の周り、ブリッジの下、インプラントの周辺部分入れ歯のフック部分など、本当に細かいところのブラッシングが可能となっています。
また商品名としてインプロなどが出てきましたが、通常のワンタフトとはやや違った効果を持っています。
インプロ
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インプロはインプラント専用に作られたワンタフトブラシです。毛先はプラウトのような一点集中ではなく平らで非常に柔らかいブラシとなっています。
ワンタフトブラシの効果的な使い方
ワンタフトブラシの効果的な使用法については、「スウェーデン式」と呼ばれる歯磨きの方法を用います。元々このワンタフト歯磨きは虫歯予防の先進国であるスウェーデンで作られ、そこからスウェーデン式歯磨きとも言われています。
このスウェーデン式の歯磨き方法で、ワンタフトブラシを効果的に使い、しっかりと歯垢を除去していきましょう。それでは磨き方をご紹介していきます。
- デンタルフロスで歯間ケアを行う
- ワンタフトブラシで2分間歯磨き
- 一般的な歯ブラシで1分間歯磨き
この順序で行います。まずどう頑張ってもワンタフトブラシや一般的な歯ブラシでは歯間の歯垢までは落とせません。そのため、先にデンタルフロスなどで歯間の歯垢を落とします。
続いてワンタフトブラシで2分間歯磨きをしてください。特に先ほど紹介した一番奥の歯や、親知らずの隙間、重なり合っている歯の隙間や歯周ポケットを中心に歯磨きをしてください。先述した通り、全体のブラッシングには向かないため、あくまで細かい部分を中心に行います。
最後に歯の表面に残った歯垢を一般的な歯ブラシで1分間磨いて除去します。全部で3分間のブラッシングになりますが、このように行うことで一般的な歯ブラシだけでは磨き残しが「約50%」になるのに対し、ワンタフトをメインとしたスウェーデン式で行うと「約20%」まで減少させることが可能となっています。
ワンタフトブラシとスウェーデン式の組み合わせで効果的に歯垢除去を行うことが可能になるのです。
ワンタフトブラシ用歯磨き粉の選び方
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ワンタフトブラシの場合、一般の歯ブラシに使うペースト状のものでは使い難いです。そこでジェルタイプの歯磨き粉を選んでください。
出来ればフッ素が配合されているものを選ぶといいです。ジェルタイプであれば、狭い面積でも付着することが可能であり、さらにフッ素が入っていることによって、その抗菌効果と歯の再石灰化を助ける効果を得られます。
ワンタフトブラシを使った歯の磨き方
ワンタフトブラシを使った効果的な歯の磨き方で歯周ポケットなどを磨くことには触れていきましたが、それぞれ場所によって磨き方が違います。入れ歯やブリッジ、インプラントなどを入れていないことを前提に話すと以下の場所をワンタフトで磨くことになります。
- 一番奥の歯
- 歯周ポケットの内部
- 歯並びの悪い部分
- 上の前歯の裏側
- 生えきっていない歯
この5カ所についてワンタフトブラシの上手な使い方について1つずつ見ていきましょう。
一番奥の歯の磨き方
一番奥の歯の特に裏側などは歯ブラシが届かない場所になり、虫歯が進行しやすい場所です。ワンタフトはヘッドが小さいため、奥歯の裏側まで届きます。ワンタフトブラシの毛先の先端を置くまで入れ、奥歯をなぞるように奥歯全体を磨いてください。
歯周ポケット内部の磨き方
歯周ポケットは一般的な歯ブラシでも磨くのにコツがいる場所です。ワンタフトは毛先が尖った三角形の形をしているので、細かい部分を磨くのに適しています。
効果的な磨き方としては、歯と歯茎の境目をなぞるように磨いてみてください。歯周ポケットの内部の歯垢を上手にかき出すために効果的な方法と言えます。
歯並びの悪い部分の磨き方
歯並びが悪い場所でもワンタフトブラシは効果的に使用できます。並びが悪くなっている歯の奥に引っ込んでしまった歯面にブラシをしっかり当てて歯と歯の境目や、歯と歯茎の境目を磨いていきましょう。
歯茎に炎症がある場所には、やわらかめのブラシで歯と歯茎の境目をなぞりながら、優しく磨いてください。
上の前歯の裏側の磨き方
上の前歯の裏側は一般的な歯ブラシでも磨きにくい場所です。そこでワンタフトブラシをパームグリップで握り、肘をついて安定させた状態で磨くと磨きやすく疲れません。磨く際には、小刻みに振動させ歯垢を除去していきます。
生えきっていない歯の磨き方
親知らずや生えかけている永久歯も虫歯になる可能性があります。朝起きたら突然生えるわけではないので、その途中経過でも歯磨きは必要ですが、高さなどが合っていないため上手く磨けません。
そこで鏡を見ながらワンタフトブラシを使って生えかけの歯にブラシを当て、微動させて磨いてください。こうすることで歯茎の外に出ている部分の歯垢を除去することができます。
歯の悩み別:ワンタフトブラシの使い方
さて、ここまでは一般的歯についてのワンタフトブラシの使い方をご紹介してきましたが、先述通り、ブリッジやインプラントなどにも使用できるのがこの歯ブラシです。
そこでここからはワンタフトブラシを使った歯の治療後のブラッシングをご紹介していきます。ワンタフトブラシを使えば、このような場所も効果的に歯垢を除去できます。
矯正装置周辺の磨き方
矯正の周りはボコボコとした突起があり、歯垢がその隙間に残りやすいです。そのためワンタフトを使用して矯正装置の隙間の部分の歯垢を除去します。ワンタフトの尖った先端はこの隙間に当たりやすくなっています。
ワイヤーの下は特に汚れが溜まりやすくなっています。そのためまずはワンタフトブラシで矯正の周りを円を描くように磨き、その後隙間にブラシの先を入れて、手前にかき出すように歯垢を除去して下さい。
インプラント周辺の磨き方
インプラントは失った歯の部分の顎に人工歯根(=インプラント)を入れて、歯の根から人口の歯を作る治療法です。天然の歯に比べて細菌に対する抵抗力が弱いため、丁寧に歯垢を落とす必要があります。そうしないと高額を払ったインプラントの寿命が短くなってしまいます。
そのためワンタフトブラシを使って、インプラントの周りをなぞるように動かし、歯垢を除去してください。インプラントの表面も一般的な歯ブラシでブラッシングする前にワンタフトで磨いてしまうと、歯垢除去を効率よく行えます。
歯のブリッジ周辺の磨き方
ブリッジは失った部分の歯の前後2本の歯で、3本の歯を橋のように繋げる治療です。そのため失った部分の歯の周囲は歯ブラシだけでは汚れが残りやすくなります。
ワンタフトブラシでこの3本の歯を丁寧に磨き歯垢を取り除いていきましょう。まず、ブリッジは土台の歯が大切ですので、そちらから磨いていきます。ブリッジを行った際、土台になる歯も削られており、かぶせ物をした下の部分は歯垢が溜まりやすくなります。
そこでそのブリッジの下になる土台の歯の根元部分と歯茎の境目の歯垢をしっかり落としましょう。そのあと土台と失った歯の3本の表面や隙間を丁寧に磨いてください。
部分入れ歯周辺の磨き方
部分入れ歯のフックがかかっている歯には歯垢が多く残ります。部分入れ歯は外すことができるので、そちらを外し、残っている土台の歯の根元の部分をワンタフトブラシで丁寧に磨いてください。特に歯と歯茎の境目はしっかり磨いてください。
露出した歯の根っこの磨き方
歯茎が下がり歯根が露出してしまっている場所については、ワンタフトの先を添え、優しく磨いてください。この部分は知覚過敏になりやすい場所なので、毛先が触れるだけでも痛みを感じる可能性があります。
ワンタフトを当てるだけでも痛みが出ることもあるので、優しく左右に動かしながら歯垢を落としてください。