放置はダメ!虫歯の原因&予防と治療方法別費用
口内トラブルの代表格とも言われるのが虫歯ですが、その正体や危険性は意外と知られていません。子供の時は学校で歯科検診があり、虫歯があると歯医者へ行って治療したのではないでしょうか?
虫歯は初期の段階だと自覚症状はなく、検診でないと発見できません。また自覚症状が出てくることには、既にかなり進行しています。実はここまで放置してしまうと歯の痛みだけでなく、様々な危険を及ぼしてしまうのです。
こちらでは虫歯の原因と予防、そして治療方法別費用についてご紹介してきます。
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虫歯を放置する危険性とは?
冒頭でも触れましたが虫歯は口内トラブルでも知らない人はいないほどの症状です。その原因は簡単に説明してしまうと、虫歯菌であるミュータンス菌が糖分などを分解する際に生成する酸によって歯が溶かされることによって起こります。
この虫歯、多くの場合、初期症状では痛みを感じず、定期的な歯科検診などでもない限り放置してしまいがちです。では虫歯を放置してしまうとどのような危険があるのでしょうか。
- 虫歯が深くなり歯の神経の痛みがでる
- 顎に膿が溜まり歯茎が腫れる
- 噛み合わせが変化し顎関節症になる
- 虫歯による神経の痛みや顎関節症からくる頭痛になる
- 顎の骨の内部にある骨髄が炎症を起こす顎骨骨髄炎になる
- 根の先から細菌が入り副鼻腔炎になる
- 副鼻腔炎が悪化すると頭痛になる
- 顔面神経麻痺になり顔がしびれたり動かせなくなる
- 虫歯菌が血管から体内に侵入し心筋梗塞や脳梗塞になる
- 虫歯菌の血管侵入により敗血症になり死に至るケースもある
虫歯を放置するだけで上記のような症状を引き起こすことがあるのです。前半の5つについては起こる原因や関連性もすぐに察しがつきますが、後半5つについては意外なものもあるかもしれません。
顔面神経通は虫歯が進行するにつれて筋肉が硬くなると言われているため、これにより顔面の筋肉は疲労を起こしやすく、痺れや、思い通りに動かしにくくなることがあるようです。また
虫歯は進行していくと歯茎の内部にある血管へ到達し、そこから血液に乗って体内を巡ってしまいます。これはミュータンス菌に限らず、歯周病菌なども同様です。
これにより、心臓や脳に達した細菌は、筋肉同様その付近の血管の組織を硬くしてしまい動脈硬化を引き起こします。そうなると心臓や脳では上記のような症状を起こすことがあるのです。
また高齢者になるとこの虫歯菌が原因の肺炎である「誤嚥性肺炎」に感染することがあります。この肺炎は、実は一括りにまとめられているので知らない方も多いかもしれませんが、65歳以上の高齢者で肺炎で亡くなった方の96%が、この誤嚥性肺炎だというデータがあります。
この動脈硬化や肺炎が起こらなかったとしても、白血球が破壊され血液が炎症を起こす敗血症が起こるケースもあります。この敗血症は死亡率が高く、医学が進んだ国でさえ30%前後と言われています。これは脳梗塞や心筋梗塞より遙かに高い割合です。
白血球が破壊されてしまうので、血液内で細菌が増殖し、毒素を一斉に作り出します。それにより中毒症状に陥ると体内が炎症を起こし、高熱や寒気、発汗、倦怠感、鈍い痛みなどの症状がで始めます。
これだけならまだしも、酷い場合はこの毒素によりショック状態になって血圧が急に下がり、尿が出なかったり意識障害を起こしたりします。この状態になると命の危険にさらされ、数時間で死亡することもあります。
また抵抗力が弱まり二次的な感染を起こしやすくなり、合併症を引き起こします。この際、レンサ球菌やブドウ球菌、大腸菌、クレブシエラ、緑膿菌、肺炎菌などが感染し、様々な症状を引き起こすことにより死に至ります。
放置しても良い虫歯の種類
虫歯を放置すると非常に怖いことが分かっていただけたと思います。しかし虫歯には放置していいものも存在します。それが「管理されている初期の虫歯」です。
初期の虫歯は削らずに歯を再生させることが可能となっています。実は何でもかんでも削って詰め物をすればいいというわけではありません。歯に人工の詰め物を入れれば、劣化し、また虫歯の繰り返しになります。
また唾液には歯の再石灰化を促す作用があります。これによりミュータンス菌によってわずかに溶かされた歯であれば再生が可能なのです。従って初期の管理された虫歯は削らず、虫歯にならない口内環境を作れば、進行を抑え再生させることが可能です。
放置してはいけない虫歯の種類
放置していいとは言え、安易に素人判断をするのは危険です。先述しましたが、虫歯は多くの場合、しばらくは痛みを伴わず、気づくのが遅れます。そのため痛みが出てから治療するという方も多いでしょう。
しかし痛みが出てからではかなり進行しており、痛みがないからと放置していると、後で身体的にも金銭的にも多大な苦しみを味わうことになるのです。
では、放置してはいけない虫歯とはどのようなものなのでしょうか。以下に1つずつまとめてみました。
黒く透けている虫歯
黒く透けている歯は、歯の中で虫歯が大きく広がっている状態です。歯の表面は硬いエナメル質で覆われ、その一部が虫歯で溶かされることで、歯の中にある柔らかい象牙質に進行します。そのため硬いエナメル質だけが残り、歯の中で虫歯が広がり黒く見えてしまいます。
この状態なら歯の痛みが出ていない場合は神経に達していないため、神経を残した治療ができる可能性があります。シミや痛みを伴う症状になってしまうと、神経を抜く治療が必要な場合もあります。
穴が空いているのに痛くない虫歯
大きな穴が空いているのに痛みがない場合は、歯の神経が死んでしまっています。虫歯が大きくなり歯の神経に虫歯が達するとシミや痛みが出ます。
しかし歯の神経が死んでしまうことにより痛みが出ずそのまま進行してしまうので、顎の骨に細菌が入り、歯茎が腫れたり顎に痛みを感じたりしてしまいます。
こうなると治療としては歯根の消毒が必要となります。虫歯の部分を全て取り去り、根の中を消毒することで、再度細菌が入り込まないように薬を詰めます。ただし虫歯部分が中で広がりすぎている場合は抜歯になります。
歯の根だけになった虫歯
歯の虫歯が進行し、どんどん欠損していきます。最後には歯根の一部が残るようになってしまいます。この状態を放置すると噛み合わせがズレていきます。周りの歯が倒れたり、上の歯が出てきたりして、顎の位置や顔の形まで変わってしまうこともあります。
こうなるともうできることは抜歯になります。抜歯後、動いてしまった歯を部分矯正で元の位置に戻し、抜歯した部分にインプラントやブリッジ、入れ歯などの治療を行っていきます。
歯茎から膿が出ている虫歯
以前の虫歯治療で金属を詰めていた場合、金属の下に隙間ができ細菌が増殖することがあります。この隙間で虫歯になると痛みが出ないまま虫歯が進行し、歯の神経が死んでしまうことがあります。
これによって歯茎から膿が出ることがあります。金属、特に治療に使用される銀は劣化しやすい材料です。また痛みが出ることもありますが、基本的には知らぬ間に虫歯が進行し、顎の骨に膿が溜まり、歯茎から膿が出てきてしまいます。
こちらも歯根の消毒治療を行います。ただし一度金属を外し、消毒を行います。上手くいけば歯茎から膿がなくなっていきますが、長期間放置していると歯根の消毒だけでは改善しない場合もあります。
詰め物が取れた状態の虫歯
一度治療をした際、詰め物をした歯もあると思います。これは歯の表面のエナメル質の代わりに内部を守るために行われますが、詰め物が取れたままだと、中にある弱い象牙質がむき出しとなるため、虫歯の進行が早くなります。
痛みやシミが出ていなうちであれば、歯の芯径を残して治療することも可能です。小さい虫歯であればプラスチック、大きいものであればセラミックや銀歯で治療します。
放置した虫歯の治療に必要な費用
放置した場合の虫歯の治療には、上述の方法の他にも様々な方法があります。しかしその方法によって必要な費用や保険診療が可能なのかどうかが変わります。こちらではその費用と、治療方法を簡単にまとめておきたいと思います。
治療法 | 費用 | 保険適用 |
レジン修復 (レジン補填・コンポジットレジン) |
700~2,000円程度 | 適用内 |
インレー修復 | 1,000~2500円程度 | 適用内 |
クラウン修復 | 3,000~5000円程度 | 適用内 |
ブリッジ | 12,000円程度 | 適用内 |
インプラント | 30~40万円程度 | 適用外 |
自家歯牙移植 | 10,000円程度 | 適用外 |
以上のような金額になります。保険適用内で行えるものについては、保険適用外で自費にて行うことも可能です。この場合、素材などの違いにより保険適用の場合よりも高性能な物を使用することもできますが、それだけ金額も跳ね上がります。
また自家歯牙移植は基本は保険適用外となりますが、親知らずを移植する場合のみ保険適用となります。ただし条件は厳しく、抜いたその日に移植しなければいけません。
また親知らずを抜いて移植するまでの費用に保険が適用されるだけで、移植先の治療費用は別途かかるので結局高額になることもあります。
それではそれぞれの治療・修復方法を簡単に見ていきましょう。
レジン修復
レジン修復は白い色のプラスチック樹脂を直接詰める方法です。これによって表面のエナメル質の代わりとなり、内部の象牙質を守る働きをします。
インレー修復
歯の型取りをして銀歯を作製し、後日詰める方法です。そのため最低2回の通院が必要です。銀は腐食しやすいですが、抗菌効果も高く歯の表面を保護してくれます。しかし先述した通り、歯との間に隙間が出来てしまうと、そこに細菌が増殖する可能性があるので注意です。
クラウン修復
歯が大きく損傷してしまった場合、金属などでその歯の一部、あるいは全体を覆い修復します。レジン修復やインレー修復では補いきれない場合に行われることが多く、「一部被覆冠」・「全部被覆冠」・「継続歯冠」と3種類の方法があります。
こちらは使用する素材によって保険適用できるものとできないものがあります。基本的には銀色の金属を使用しなければ、そのほとんどが保険適用外となるので価格が跳ね上がります。
ブリッジ
失った歯の両隣の歯を削り、その2本を支えに橋のように人工歯を入れる治療です。これを入れた場合、取り外す手間がなく、噛む力も比較的高くなるというメリットがあります。そのため噛み合わせの変化などが起こりにくくなります。
ただ支えにするために両隣の健康な歯まで削らなければいけなくなり、支えの歯には負担がかかるのが難点です。
インプラント
歯を失った部分の顎の骨にチタンなどの金属を埋め込み、その上に人工の歯を作る治療です。天然の歯に近く、メンテナンスを行うことで寿命は長くなります。
しかし外科手術を伴い、治療期間が長くかかることもあります。また原則自由診療で行うため保険適用外となり、上述通り治療費が高額な場合があります。
自家歯牙移植
失った歯の部分に、親知らずなどの違う自分の歯を移植する治療です。自分の歯を活かせるのはメリットですが、親知らずの形が悪いなど治療に適していない場合もあります。また先述通り、保険診療ができないことの方が多いです。
虫歯の原因と予防方法
虫歯の治療には種類があり、いずれにしても放置してしまうと痛みやその治療も大変になることが分かっていただけたと思います。そこで出来る事ならその原因を知り、予防方法をしっかりと身につけ、出来るだけ治療をしなくてもいい状態にしたいものです。
しかし虫歯の原因は非常に多く、全てを予防するのは不可能です。ただ多くの方が全て適用されるわけではありません。そこで原因を挙げた上で、大多数の方が関連のある原因と自分で出来る予防方法について触れていきたいと思います。
- 正しい歯磨きが出来ていない
- 間食や甘いものが多い
- 虫歯菌が多い
- 歯の質が弱い
- 唾液の量が少ない
- 唾液の力が弱い
- 詰め物が劣化している
前半3つは多くの方が対象となりやすい原因です。虫歯の三大要素は「歯牙」「細菌」「糖分」と言われています。またこれに「時間」を加えた四大要素とも言われています。
そうなると前半3つの要素は大きく虫歯に関わってくることになるのです。歯の質、唾液量やその強さは個人差があるため全ての人に関連するわけではありませんが、これも「歯牙」や「細菌」の要素に関わることは確かです。
そうなると口虫歯菌を如何に除去し、歯を守っていくかが自分で出来る予防方法に関連してくると言えるでしょう。それを踏まえた上で、予防方法をご紹介してきます。
歯垢(プラーク)をしっかり除去
これは虫歯でなくても必須となります。プラークは細菌の塊であり、これを除去することでミュータンス菌や歯周病菌の除去ができるようになります。
これを放置していしまうと、その内部で細菌が増殖し、活発に活動し始めるため、日頃から正しい歯磨きの方法やデンタルフロスなどを使い、出来る限りプラークを除去していくことが大切です。
フッ素の入った歯磨き粉や洗口液を使用
フッ素は抗菌作用を含むため、歯磨きでプラークを落とした後、長時間細菌が増殖したり活動が活発化したりすることを防ぎます。また歯を強くする作用や初期の虫歯を治す作用もあるため歯磨き粉や洗口液を使う場合は、フッ素入りのものを使用することで、この効果を得て、虫歯を予防することができます。
キシリトールガムを噛むこと
キシリトールは歯の再石灰化を助け、虫歯の発生や進行を抑える効果があります。そのため100%のキシリトールガムを嚙むことにより、唾液の成分もプラスされ虫歯の自然治癒を助けてくれます。
どうしても外出先で歯磨きができないときにも有効な手段となります。ただこれはあくまで臨時的な処置であり、虫歯の進行を完全に抑えられるわけではないので注意が必要です。
間食や糖分を控える
口内は食事の度に酸性となり歯を溶かします。ただこれだけなら唾液のミネラルを用いた再石灰化作用により元に戻ります。ただ食事の回数が増えたり、長時間かけて飲食をしたりすると歯は溶け続けます。
さらに糖分を摂るとミュータンス菌が活発に分解し、酸を発生させ余計に歯は溶けやすくなります。このため間食や糖分を控えることが大切です。さらに食事は噛み応えがあり、ミネラル成分を多く含むものを摂ると、汚れが付きにくく歯を丈夫にしてくれて、虫歯の自然治癒を促進します。
横や斜めの親知らずは抜く
横や斜めの親知らずには歯ブラシなどが届かず、プラークの除去が出来ません。そのため虫歯になりやすく、その環境は隣の歯にまで悪影響を及ぼします。また親知らずの出現により歯並びが悪くなることもあります。
そうなると虫歯がどんどん進行する環境を作り上げてしまうため、歯科医と相談の上、早期に親知らずを抜くことが虫歯予防に繋がります。
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